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September 06, 2004

夜鳴きそば

この言葉には、哀愁とも、また前世の記憶(?)とも取れるような、何とも云えない懐かしさがあります。
夜鳴きそばとは、遠い昔、若い父と母が、私のために食べさせてくれた中華そばの事です。

私の育った河内では、夜になるとおじさんが屋台をひきながら、チャルメラを鳴らしてやって来たものです。
寒い冬の夜に、誰もがこたつから出たくない時に、このチャルメラを聞きつけると、私が「そばこうてぇ~」とねだったそうであります。
そうすると、5回のうち1回くらいは、父が「買うてやり」と云って母に買いに行かせたらしいです。
父の月給が3000円の時代に、1杯50円の中華そばは高かったと思いますが、温かい中華そばの味は今でもずっと私の心の中から離れません。
屋台売りではどんぶりを持って行くのが普通で、ナルト模様の中華どんぶりは、40余年が過ぎた今でも、母の食器棚の中にあるのを私は知っています。

透明な鶏ガラスープに、細麺が透けて見え、その上に茹でモヤシとナルト巻き、支那竹と大きなとろっとしたチャーシューが、いかにも美味しそうに食欲をそそります。
温かいおつゆに見え隠れするのは、若き父と母の愛情と、懐かしき昭和30年代の姿であります。
まだ近鉄電車がたんぼの中を走っていた時代。
大阪の空はスモッグに汚れ、公害問題が云われ始めた頃ですが、子供は山に川に駆け回っては、日暮れに母の声を頼りに家路を急いでいた。

それから幾星霜、今では電子機器に囲まれ、その電子機器で仕事をする「未来の」自分が、どこか遠いところの自分の「過去の」姿に、安らぎと安寧を見ている事に気づいてしまいました。

誰もが若く、誰もが優しかったあの頃。
私は繰り返し繰り返し、夢の中でこの風景を見続けて行くのです。

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Comments

今晩は~

私は実家が商売をしているもんで、高校を卒業するまでは夜中まで店を手伝っている事が多く、店がかんばんになった後でご褒美で買ってくれる(ちょうどその頃に回ってくるのです)、屋台の中華そばがやたら美味しかったですね。

#最近は、私の住んでいる周辺には回って来なくなったのが寂しい限りですHi

Posted by: 7J3AOZ(JH3YKV News Editor) | September 07, 2004 at 01:10

白原さん

確かに最近は見なくなりましたね。
河内も大きく変わって、都会になったから仕方ないのかも。
とにかく未知が狭いのに、夜でも車が多いですから、難しいかもしれません。

お互い忘れ得ぬ思い出ですね。

Posted by: JF1OCQ | September 07, 2004 at 10:15

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